Nさんはある日、髪をとかしていて、ブラシに引っ掛かりを感じた。
真後ろのうなじ部分なので、自分では見えない。鏡でもよく分からないので、そろそろ行こうかと予定していた美容院で、髪切りついでに見てもらおうと出掛けた。
美容師は、特に絡んでいる部分もないと言って、普通にカットを済ませた。ところが翌日にまたブラシが絡み、友達からは一本だけ長い毛が出ていると指摘された。切り忘れだろうと思い、クレームをつけに立ち寄った。
同じ美容師に丹念に確認してもらうと、手鏡を渡され椅子の向きを逆にして、「見ずらいかも知れませんけど、これ分かりますか?」と聞かれた。
手鏡に映る背後の鏡の中の自分の肩に、一本だけ数センチ飛び出ている毛がある。
「これ髪の毛じゃありません。何か糸のようなものです」
驚いていると美容師は「そっと引っ張ってみても良いですか」と言う。
痛かったらすぐやめてと答え、やってみてもらうと、それは5センチほど伸びた。
美容師は急に手を止めて「棘か何か刺さってます」と覗き込み、抜いて欲しいと頼んだので、毛抜きを取りに行った。
抜かれても全く痛くはなかったが、何故そんなところにと考えていると、「あっ!」と小さな悲鳴が上がった。
それは棘ではなく、1センチくらいの、とても短く細い縫い針で、黒い糸が付いていた。二人とも、理解できない事態に、しばらく黙り込んだ。
気味が悪いので、その場で消毒してもらった後、病院でも診てもらい、出てきた針は実家のそばの神社に持ち込んで、始末してもらった。
Nさんには、誰がいつ、何の為に、どうやって針を刺したのか、全く思い当たることが無いのだった。
2023-08-04
>切り忘れだろうと思い、クレームをつけに立ち寄った。
って😆😂わざわざ。。ここの部分に反応しちゃいました。
針は、うなじに刺さっていたのですか?
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美容室は毎日通る道筋にある馴染みの店だそうです😀
針の刺さっていた場所は正確には分かりません🧐
いずれにしても大事にならずに良かったと言えるのでしょう😓
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