
Aさんが出張で部下と泊まったビジネスホテル。
夜遅くに戻ったツインルームで、それぞれのベッドに入って電気を消した。
しばらくし目が覚めたAさんは、窓際の黒い影に気付いた。
目を凝らしてみると、部屋に備え付けの寝間着を着た部下が床に座り、両脚を抱え頭を膝に埋めて、震えていたのだ。
泣いているようにも見えたので、声をかけるのをためらった。
知らない振りをした方が良いのだろうかと思い、寝返りを打って隣のベッドの方を向くと、そこに部下が居た。彼はそっと指で窓際を指し示しながら、必死に目で訴えていた。Aさんはうなずき、急いで明かりを点けて窓際を振り返った。
部下と間違えた男は消えていた。
2020-12-31

Zombiekong への返信 コメントをキャンセル