
我が家の近くの橋の側では交通事故が多く、決まって夜中の2時頃に急ブレーキ音が聞こえる。ガードレールや電柱に衝突して止まっている車の運転手は、皆決まって「その前に何かがぶつかる衝撃があった」と証言する。
2017-01-27 17:42

我が家の近くの橋の側では交通事故が多く、決まって夜中の2時頃に急ブレーキ音が聞こえる。ガードレールや電柱に衝突して止まっている車の運転手は、皆決まって「その前に何かがぶつかる衝撃があった」と証言する。
2017-01-27 17:42

もう随分前だが桜の時季にある公園を歩いていた。夜の8時半ぐらいだったと思う。その少女を見たのは林の中の小道だった。

真っ暗な木立の奥に白い服を着た10歳くらいの女の子が立っている。恐い顔で何かを見つめていて、その視線の先には中年男性3人組がいた。彼らは何も気づかず、和やかに談笑しながら少し前を歩いていた。特に変わったところはないように思えたが、少女はずっと彼らを目で追って睨んでいた。不気味だったので花見客で賑わう広場に出るとホッとした。

先を行く3人は、すでに飲んでいたサラリーマンのグルーブに合流してシートに座った。すると隣で帰り支度をしていた親子連れグループで、突然赤ちゃんが泣き出した。母親があやしても火がついたように激しく泣き、追い打ちをかけるように小さな子が悲鳴を上げ始めた。

私は横を通り過ぎながら、離れた場所にいた別の少年も、真っ青になって固まっているのに気付いた。
少年もまたあの男性達の方を凝視していた。
2019-03-28 00:01 
知人が大学生の頃引越しをした。ちょうど桜の季節で、丘の上の彼の部屋の窓からは、下の道路の桜並木が眺められた。友人達を花見に呼んで夜中まで話し込んでいると、窓辺を何かが通った気がした。しばらくすると友達の一人も「今誰か通ったか?」と言う。すぐに外を確認したが窓の下は3メートルほどの崖だし、左右には塀がある。気のせいだろうと話したのに今度は全員が目撃した。子供がすごい速さで通り過ぎた。そんな速さで駆け抜けられるような場所ではないと判っていたし、怖くなって窓を閉め部屋を出た。

次の日大学でこの話になると「酔っ払ってたんだろう」と笑われ、確かめてやると言う友人がやって来た。夜中まで暇を潰し窓を開けて待った。午前0時を過ぎてからその出来事は始まった。だいたい2・3分おきくらいに誰かが一瞬で通り過ぎる。背が低いので子供だと思っていたが違うようだ。最初は唖然としていた友人が面白がり始め、何度目かに「おい! 」と声をかけた。それはピタッと止まりこちらを向いた。子供どころか人間ですらなかった。

目の部分が黒い空洞に見えるそれは、こちらを向いたまま動かなかった。驚いて立ち上がろうとすると、獣のような唸り声を出すので動けない。やがて次のそれがやって来て横に並んだ。二人ともガタガタ震えながら何とか少しづつ下がったが、激しく唸られ今にも襲われそうだった。さらにまた次が来て並んだ。ようやく玄関までたどり着くと、靴も履かずに外に出てドアを閉め逃げた。

家族も友人達も誰もこの話を信じてくれなかった。二度と同じことが起こらなかったからだ。
2018-04-01 00:00

その夜 Zさん達のグループは、軽い肝試しのつもりで、山の中腹のホテルだった建物に出かけた。廃業して数年が経っていたものの、当時は怪奇現象の噂があったわけではない。

玄関ホールから中に入ると、窓際以外は暗くて何も見えなかった。各自懐中電灯を持ち、思い思いに部屋を覗きながら、廊下を進んでいた。Zさんは1階の奥の部屋で、影が動いたのを見た気がしたが、壁や床を丁寧に照らしても何も見つからない。おかしいと思っていると、不意に懐中電灯が切れて真っ暗になった。全員先に行ってしまったようだ。

「おーい」と呼んでも返事がない。「どこやー?」と叫びながら手探りで進むうちに、方向も分からなくなった。心細くなった時、冷たいものにいきなり手首を掴まれ、飛び上がるほど驚いた。
「こっちだよ」と落ち着いた小さな声が聞こえ、再び冷たい手が触れた。その手はZさんを引いて進み、「誰?」と聞いても「こっち」と答えるだけだった。Zさんにはふと疑問が湧いた。何故こいつは暗闇で歩けるのだろう。そう思った途端ゾッとして、思わず「お前は誰なんや!」と怒鳴った。相手は強く手を引っぱり、「こっちにおいでよ」と言ったのだ。

仲間達が悲鳴を聞いて戻って来ると、Zさんは腰を抜かしてへたり込んでいた。両脇を抱えられてなんとか車まで戻った。最初は笑っていた連中も、Zさんのただならぬ様子に、ちゃんと話を聞いてくれた。「危なかったな」と言われて初めて、自分のすぐ横に、地下に降りる階段があったと知った。

このホテルはその後心霊スポットとして有名になった。今はホテルへの進入路が金網で封鎖されており、建物も朽ち果てているらしい。
2019-03-25