古い商店街に面したその店では、客が入ってきたのを見て人数分の水を運ぶと、余ることがよくある。カウンターから死角になっている奥のスペースには、混んできても誰も座ろうとしない。「奥へどうぞ」と声をかけても、そちらに行きかけた客が戻ってきてしまう。確認すると誰もいないが、カウンターで下を向いて洗い物をしていると、出口に向かって影が通り過ぎた気がする。そのあとはまた奥の席にも人が座り始めるのだそうだ。
2019-03-25
13.隙間15.話し声
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